【2026年10月施行】就活セクシュアルハラスメント対策が義務化されます 企業が今から準備すべきこと

2026年(令和8年)10月1日から、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が、企業の義務になります。いわゆる「就活セクハラ」と呼ばれる問題で、これまでも社会的な関心が高まっていましたが、今回の改正により、自社の社員だけでなく、採用選考の過程で接する求職者等についても、雇用管理上の措置義務の対象として明確に位置づけられます。本コラムでは、改正の内容と、企業が今から準備すべきことを解説します。
就活セクシュアルハラスメント防止措置義務化の概要
今回の改正は、男女雇用機会均等法の改正により、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が事業主の義務として新設されるものです。2026年10月1日に施行されます。あわせて、事業主が講ずべき具体的な措置の内容を示す指針として、「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第52号)が、令和8年2月26日に公布されています。
求職者等セクシュアルハラスメントとは
対象となる「求職者等」には、自社の求人に応募する方だけでなく、会社説明会や面接、OB・OG訪問の場に参加する学生、教育実習や看護実習等を受ける方も含まれます。採用担当者や面接官、OB・OG訪問を受ける社員による性的な言動により、求職者等の就職活動における環境が害されることが、防止措置の対象です。対面でのやり取りに限らず、電話やSNS等を通じた言動も対象に含まれる点に注意が必要です。
企業が講ずべき具体的な措置
法律上の措置義務として、事業主が必ず講じなければならないとされているのは、主に次の4点です。
- 方針の明確化と周知 セクシュアルハラスメントを許さない方針と、違反者への対処方針を、就業規則等に定め、採用に関わる社員に周知する
- 相談体制の整備 求職者等からの相談を受け付ける窓口をあらかじめ定め、その存在を周知する
- 事後対応の整備 相談を受けた際に、事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害者への配慮措置や行為者への対応を行う
- プライバシー保護と不利益取扱いの禁止 相談者・行為者等のプライバシーを保護し、相談したことを理由とする不利益な取扱いをしない旨を周知する
これに加えて、指針では「面談の時間・場所をあらかじめ定めておく」「SNS等の連絡手段の範囲を明確にしておく」といった対応が、望ましい取組(推奨される好事例)として紹介されています。こちらは、上記4点のような法律上の措置義務そのものではなく、企業の実情に応じて取り入れることが望ましいとされる例、という位置づけです。
対応を怠った場合のリスク
改正均等法では、報告徴収に応じない場合や虚偽の報告をした場合の過料(20万円以下)に加え、措置義務の履行状況について、厚生労働大臣(労働局長)による助言、指導、勧告が行われることとされています。正当な理由なく勧告に従わない場合には、企業名が公表される制度も設けられています。今回の求職者等への防止措置は、職場におけるセクシュアルハラスメント対策の枠組みを求職者等に広げる法律上の義務であり、単なる努力義務や指針上の配慮事項にとどまるものではない、という位置づけです。
今から準備すべきこと
施行日である2026年10月1日まで、時間は限られています。採用選考に関わる社員が、面接やOB・OG訪問の場でどのような言動が問題となりうるかを理解しないまま採用活動を続けることは、リスクを抱えたままの状態といえます。既存のハラスメント防止規程が、社内の従業員間の言動のみを対象としている場合、求職者等への対応も含めた規程への追記や、採用担当者・面接官向けのマニュアル整備、研修の実施を検討する必要があります。
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